女性で働き続けている割合や雇用形態

女性が結婚、出産等で仕事を辞めることで、生涯所得が2億円異なるとの記事がありました。

最近は以前に比べて働き続ける女性が増えてきていると感じますが、実際に以前と比べて働き続けている人数や雇用形態を調べてみたところ、環境の整備の必要性を感じました。

働き続ける女性が増えているけれど、環境整備が必要

ダイバーシティを学んでいるとよくM字カーブが出てきます。M字カーブとは、女性の労働力率(労働力人口比率((就業者+完全失業者)÷15歳以上人口))は、一般に、学校卒業後の年代で上昇し、その後、結婚・出産期に一旦低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇するという、M字カーブを描くといわれています。

総務省統計局「労働力調査(基本集計)」によると、女性の年齢階級別の「労働力率」をみると、「M字カーブ」の底は、平成元年は51.1%(30~34歳)でしたが、30年は74.8%(35~39歳)となっており、M字の底が上昇し、台形に近づいています。
すなわち、結婚、出産や育児の年代でも働き続けている人が増えています。

興味深かったのは、日本の女性労働力率がアメリカを上回ったことです。女性の「労働力率」を外国と比較すると、30~34歳について、平成12年は「M字カーブ」の底(57.1%)で、アメリカ(75.5%)に比べ18.4ポイント低くなっていましたが、29年(75.2%)にはアメリカ(74.5%)より高くなっています。

また、内閣府男女共同参画局の2020年10月21日時点の情報によると、子育て期(25~44歳)の女性の就業率が上昇し67.7%(2012年)から77.7%(2019年)となっています。
さらに第1子出産前後の妻の継続就業率は4割前後で推移したのが、53.1%(2010~14年)と高まっています。
この結果からも働き続ける女性が増えているのがわかります。

一方で、総務省統計局のデータで、「正規の職員・従業員」は平成元年(3452万人)から30年(3423万人)で29万人の減少となりました。そして、「非正規の職員・従業員」は元年(817万人)から30年(2117万人)で1300万人の増加となり、割合は元年(19.1%)から30年(38.2%)で19.1ポイント上昇しました。

厚生労働省の「2019年(令和元年)雇用動向調査結果」でも、入職者に占めるパートタイム労働者の割合を性別でみると女性の年齢階級ごとの割合は、25~29歳以降おおむね年齢が上がるとともに高くなり、30~34歳で5割を超え、55~59歳で7割を超え、65歳以上で9割近くとなっています。男性の年齢階級ごとの割合は25~29歳から55~59歳まで1~3割と低く、60~64歳で4割程度、65歳以上で7割近くとなっています。
男性に比べて、女性のパートタイム労働者の割合が圧倒的に高いです。

コロナ下の女性の就業への影響として、総務省「労働力調査(基本集計)」では、女性の就業者数は、4月に対前月で男性の約2倍の70万人減少(男性は37万人減少)(季節調整値。以下同じ)、女性の非労働力人口(15歳以上人口のうち、「就業者」と「完全失業者」以外の者)は、68万人増加(男性は27万人増加)しています。その後、非労働力人口は減少、就業者数は増加の動きがみられるものの、コロナ前に比べると依然として厳しい水準にあるとの結果が出ました。
女性の方が影響を受けているのがわかります。

結婚、出産、子育て期でも働き続けている女性は増えていますが、安定して働ける環境が必要です。

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