ベンチャー起業へのアプローチと資金調達のツボ
『ベンチャー起業へのアプローチと資金調達のツボ』
清泉貴志氏(カリフォルニア大学サンディエゴ校日本研究センター・JFITのExecutive Manager。カリフォルニア州サンディエゴ在住のエンジェル投資家・起業家。TechCoast Angelsメンバー)
ベンチャー企業の10のポイント
1.新規アイデア:誰の役に立つのか?(Userは?)
・個人?
・企業?事業会社?
・政府?
・Userは国内のみ?世界中?
2.現在のもの(解決法)ではダメなのか?
・何が駄目なのか?
・値段が高すぎる?
・スピードが遅い?
・機能・性能が不満足?
・「ダメ」度を定量化できるのか?
3.ターゲットUserの「欲しい度」の把握
・Userへの訊き込み(Primary research)
・現状の市場調査(マーケットシェア、Secondary research)
・競合品、競合会社のデータや情報も収集
4.製品化・事業化したらどのくらい支払うか?
・Value proposition(新規技術・サービス・製品の価値の提案)
・値段:どのくらい安くなるのか?
・効率:どのくらい効率が上がるのか?(=コストの削減)
・質の向上?などのメリットに対してUserはどのくらい支払うのか?
「うまい、やすい、はやい」をめざす!
5.製品化・事業化にどのような人材が必要か
・ベンチャー設立の場合、どおような人材をどのように集めるか?
・開発の段階に応じて必要となる人材の変化
・委託サービスを活用して製品化・事業化を進められるか?
・ネットワーキング、同窓生?先輩・後輩?
6.開発競争の状況は?
・他社が同じような技術・製品・サービスを開発しているか?
・国内の競合、グローバルの競合
・Leap frog=「飛び越しイノベーション」にも十分注意
7.製品化・事業化にどのくらいの資金と時間がかかるのか?
・製品化・事業化の方法の選択
・ライセンス=開発を一任して(開発リスク・コストを転嫁)商品化後にライセンス料をもらう
・共同開発=利益をシェア、コストもシェア
・ベンチャーを創業して進める=利益は100%ベンチャー会社のもの、ただしコストも100%
8.技術・製品・サービスをどのようにして守るか
・特許(有効期限は)
・許認可(厚労省、FDAなど)
・商標、ブランド?
・Know-how・Trade secret「秘訣・企業秘密」
9.事業計画と投資エグジットの分析
・似たようなベンチャーがどのようなエグジットをしているか、IPO?M&A?
・現実味があるか?
10.投資家、または戦略提携相手への「Ask」
・なにが欲しいのか?
・資金調達額:いくら?いつまでに?
・研究開発の支援?
・人材?
・経営・事業化のアドバイス?
・投資家:なぜ投資をすべきなのか?「魅力的なリターン」を強調
・前もってプレゼン相手の投資家がどのような技術・製品・サービスのベンチャーにいくら投資をしているのかを知っておく?
・ファンドの投資サイクルはどこなのか?
・戦略提携ターゲット企業:なぜあなたのベンチャーとコラボすべきなのか?
・コラボのメリット、ターゲット企業の製品やサービスポートフォリオにフィットするか
・いままでどのようなベンチャーに投資しているか。
10枚(ほど)のスライドにピッチをまとめる
・全体像をわかりやすく
・10分(ほど)のピッチは、「営業トーク」
・あなたの技術・ベンチャーに興味を持ってもらい、次の段階
(=詳細な技術評価、事業のディスカッション)に進んでいくためのもの
・飽きさせないー超重要
プレゼンだー、パワポーは、ダメ
紙と鉛筆を用意!
まずアウトラインを書きましょう!
プレゼンテーションの準備
1.待て!パワーポイントは開くな!
2.まずプレゼンのアウトラインを書く!
3.プレゼン環境の基本を分析:5Wと1H
WHO:聞き手は誰なのか?
What:何をプレゼンするのか?
When:いつプレゼンするのか?
Where:どこでプレゼンするのか?
Why:なぜプレゼンをするのか?
How:どうやってプレゼンするのか?
ピッチのスライドは10枚ほどに!
1.タイトルスライド
2.解決すべき課題
3.解決法
4.市場
5.競合
6.価値の提供・Value Proposition
7.ビジネスモデル・収益モデル
8.経営チーム
9.資金調達・経営計画
10.資金調達のタームシート、Exit戦略
最初に身内のストーリー等、POLL(投票)を30秒程度行い発表内容を考えさせて引き寄せる