一人ひとりの勇気

東京の感染者数が増加し、緊急事態宣言やロックダウンが出るのではないかとの話がある中で、例年行われている行事が約200名で開催予定との連絡がありました。その地域は感染者はほとんど出ていません。

気心が知れている仲間であれば、やめた方がいいのではと伝えますが、それほど面識がない人達が大半で、意見を言うべきか迷いました。

昨年の行事報告では、参加者に高齢者が多かった記憶があります。
現状のコロナウイルス感染症の報告では、高齢者、基礎疾患がある(他の病気を持たれている)等が重症化する割合が高いです。
また、うつるのを避けるために密集、密閉、密接を避けるのが良いです。

しかし医師でも政治家でもない自分が、あまり知らない人達のところに発言するのは、とても勇気がいります。
何を偉そうなことを言っていると思う人がいるかもしれません。東京はそうかもしれないけれど、それをどの地域にも押し付けないでくれと思う人もいるでしょう。

実際に3月初旬にある団体で3月中のイベントは全グループで中止するようにとの連絡がありました。しかし、その頃の東京は、流行も実感もなく、あるグループではイベントを開催するとの連絡がきました。
そのグループは知っている人も多いので、中止した方がいいのではと伝えたところ、次の意見がありました。
「何でも上から言われたことをそのまま従うのがいいことではない。自分の意見を持たないといけない。」
その意見も正論です。
私はWHO-中国共同ミッション報告書等から、何故やめた方がいいと思ったかの意見を伝えました。
良かったのは、話し合えば理解をされる方々で、以前から知っている間柄でもあり、今でも関係は良好です。

冒頭に書いた約200名の行事に関して、命がかかっているので、勇気を出して、中止した方がいいのではと伝えました。
案の上、そのグループでの返信はなく、何も言わない方が自分にとっても楽だと思いました。また、何かあっても自己責任で、関係ない我々はおとなしくした方が嫌な思いをしなくて済みます。

しばらくすると同様の意見を述べる方が出てきました。また、開催の中心との仲介をされている方もみんなから意見を言われて気分が悪かったと思いますが、大人の対応で、開催者に意見を伝えてくれることになりました(以前から中止は検討にあがっていて、開催は迷われていることもわかりました)。
いい仲間で良かったです。

何も行動しない方が楽です。意見を言うのは勇気がいります。
でもきっと一人ひとりが勇気を出したら、少しずついい方向に向かっていくのだろうと思いました。

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