新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言と新型コロナウイルス関連倒産

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が、現状の状況分析を行い、分析した結果をまとめた「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を2020年5月1日に公表しました。

我々が何を目指していたのかを振り返ると、新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部クラスター対策班の「COVID-19への対策の概念」(2020年1月29日暫定版)の資料から、基本再生産係数(R0)を1以下にすることかと思います。

5月1日の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」では、感染の状況等について全国と東京都が示されています。

実効再生産数は、全国でも東京都でも4月10日以降は、1を下回ったと報告されています。

「全国における推定感染時刻を踏まえた実効再生産数を見ると、3 月 25 日は 2.0(95%信頼区間:2.0、2.1)であったが、その後、新規感染者数は減少傾向に転じたことにより、4 月 10 日の実効再生産数は 0.7(95%信頼区間:0.7、0.7)となり、 1 を下回った。
東京都においては、感染者数が増加しはじめた 3 月 14 日における実効再生産数は 2.6(95%信頼区間:2.2、3.2)であった。3 月 25 日の東京都知事による外出自粛 の呼びかけの前後から、新規感染者数の増加が次第に鈍化し、その後、新規感染者 数は減少傾向に転じた。この結果、4 月 1 日時点での直近 7 日間における東京都の 倍加時間は 2.3 日(95%信頼区間:1.8,3.8)であったが、5 月 1 日時点での直近 7 日間の倍加時間は 3.8 日(95%信頼区間:2.6, 6.7)となった。また、4 月 10 日の 実効再生産数は 0.5 (95%信頼区間:0.4, 0.7)に低下し、1 を下回った。

基本再生産数と実効再生産数の違いは以下になります。
基本再生産数とは、ある感染症に対する免疫を誰も持っていない通常の状態において1人の感染者から平均してどれだけの数の人々に病気がうつることになるのかを示す推計値のこと。
実効再生産数とは、感染症が実際に流行しているある集団の特定の時点において1人の感染者から平均してどれだけの数の人々に実際に病気がうつっているのかを示す実数値のこと。

当初に目指していた実効再生産数は1以下を達成したけれども医療機関が逼迫しているので、感染症対策専門家会議の尾身茂副座長は5月以降の対策の方向性について、「当面は今の枠組みを維持するべきだ」と述べています。

一方で、同じ5月1日に帝国データバンクが報告した「新型コロナウイルス関連倒産」は、全国に115件判明(5月1日17時現在)、法的整理76件、事業停止は39件です。

今後を考えると現状で、医療機関がこれ以上、患者を受け入れるのが不可能であれば、経済を回復すると必ず感染者が出る可能性があるので、必然的に自粛を継続せざるをえません。

一方で、感染者数だけを報道して増減で一喜一憂するのではなく、その内訳も考慮する必要がありそうです。4月22日時点の日本看護協会の日本記者クラブ資料では、4月20日時点で、19都道府県54施設で783人の新型コロナウイルス感染症の院内感染発生施設数と院内感染者総数を報告しています。
院内感染や施設内感染は報告日の関係もあり、感染者数が1日に何十人も増えることもあり、感染者数の増加だけで自粛が徹底されていないと判断するのは間違っていると思われます。

自粛を解除するためには、解除後の我々の意識が大事なのかもしれません。気をつけないと再度、感染者数が急増するリスクがあること、リスクが高い集団や場所等に気を配ること、医療関係者に対して不足している医療防護具等の対策が必要であることなどを理解する必要がありますね。

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